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夏の古都巡り 奈良 四季亭 瑞雲 2010.葉月 |
〜一日目〜

一か月ぶりの西下は京都・奈良。

中学・高校時代にも巡った、

大人の修学旅行です。

まずは、

遷都千三百年で盛り上がる、

二十年ぶりの奈良へ。

降り立ったのは、

富雄というローカルな駅。

お目当てはアコルドゥ。

スペインはバスク地方の、

エッセンスが効いたお料理を、

優しい光が降り注ぐ、

テラス席でいただきます。

体温と同じ39°に温められた、

水牛のチーズがスターター。

スタッフお薦めのアルザスと、

美しいガラスのボールに盛られた、

海と大地の清々しいサラダ。

オリーブの土と題された、

まさしく大地のお味。

特に心に残ったのは、

一度食事中にレストルームに立った際、

言葉も交わすことなく、

他のテーブルのゲストにも、

気づかせることもなく、

レストルームへと導いてくれた、

女性スタッフのスマートなサービスには、

感心を越えて感動。

いつかまた訪れたい、

心に残る素敵なお店です。

晴天に恵まれた、

大人の修学旅行ですが、

おかげて昼下がりは酷暑。

興福寺の鹿さんもバテバテ、

かき氷が気になるのかしら?

お宿は“四季亭”、

二十年ぶりのリピートです。

二十年前と変わらぬ、

茶室でのお茶のサービス。

畳敷きの廊下の突き当たりにある、

お部屋は瑞雲。

随分と、

贅沢な造りの、
k
特別室です。

何と言っても、

お殿様が鎮座するような、

上段の間。

二十年という長い年月の間に、

培ってしまった、

つまらないジョークを、

あやうく書き記すところでしたが、

かろうじて思いとどまり、

気を取り直して、

一息ついたら、

お出かけです。

500ヘクタールを有する奈良公園、

“四季亭”もその一角にあります。

公園内に点在する、

料理旅館江戸三の離れ。

公園のいたるところに出没する、

一応は野生の鹿さん。

東大寺へ向かう参道、

大仏様に向かって鳴く者もいれば、

店番をする者もいますが、

野生なので注意も必要。

二十年前に鹿せんべいを購入して、

痛い目にあったことが脳裏をよぎります。

大仏で有名な東大寺、

古都奈良の世界文化遺産。

お目当ては、

南大門で睨みをきかす、

阿・吽二対の仁王像。

修学旅行の定番、

大仏こと盧舎那仏像との、

御対面は、

またの機会に。

帰り道、

裏道を巡ると、

楽しい出会いがあります。

夕陽に映える瀟洒な館に、

人気のない静かな公園。

水面が静かに揺れる池と、

黄昏の公園も素敵です。

マイルームを横目に、

お宿に戻り、

湯に浸かり、

さっぱりしたら、

お食事です。

二人には大きすぎる感がありますが、

古都のお味を堪能することにしましょう。

白桃の食前酒に、

美味満載。

鬼火と書いてほおずきと読みます。

春日大社に由来する下り藤の椀は、

夏らしい鱧真丈。

鮪のお造りと、

追い造りと称する、

二皿目のお造り。

お造りを始め、

料理の数と量が多く、

二十年前なら大喜びで、

ペロッと平らげてしまいそうですが、

さすがにこの頃は。。。

締めの鮭雑炊はほどよい量でしたが、

頑張って食べたという印象が残ります。

と言う訳で腹ごなしに、

ライトアップされた古都の世界文化遺産、

興福寺の五重塔を見学。

フラッシュを焚くと玩具のよう。

鹿さんも悪者みたいです。

寝床は上段の間、

お姫様になった夢でも。

残念ながらいつもと変わらぬ、

お目覚めでしたが、

早朝の奈良公園をちょっとお散歩。

小鹿は餌を食み、

睡蓮も花をつけ、

奈良公園の朝は始まっています。

折角ですから、

古都の世界文化遺産、

春日大社を参拝。

鬱蒼とした木々に守られた、

自然豊かなお社です。

春日大社の本殿は、

朱色の壁に囲まれた、

回廊式。

舞殿越しに見える大杉や、

おみくじを食む神の使い。

厳かな空気の中で、

日々営まられる神事。

神聖な杜で、

目に見えぬものに、

触れられる、

春日大社の、

朝のお散歩は、

お奨めです。

宿に戻って朝風呂、

大浴場に行って

温泉気分。

と来れば、

肴にも困りません。

自家菜園の朝取れ野菜に、

名物の茶粥。

いつもながら、

朝からお腹パンパン。

見どころ満載の奈良大和路、

京都からも気軽に来れる古都です。
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